セルジー・ポントワーズ地方音楽院への留学
松井るみさんは セルジー・ポントワーズ地方音楽院へ留学後、日本の大学で非常勤講師をしながら博士後期課程の研究を続けています。
1. 留学の動機は?
声楽は外国語で歌うことが殆どなので、いずれは海外で勉強してみたいと考えていました。
幼少期よりフランス音楽に愛着があったのと、文化の中心地であり続けるパリでの空気を吸収することに憧れがありました。
2. フランス留学生活で一番楽しかったことは ?
ヴァカンスが多かったので、ヨーロッパ内をたくさん旅行しました。留学で出来た日本人以外のお友達とも色んなところに出かけ、様々な国の習慣を体験できたのもいい経験になりました。
3. 留学中の失敗談を教えてください!
電車の遅延やストライキが多く、日本の感覚で予定を組んでいると何度か失敗しました。ただ、次の質問の答えとも繋がりますが、大概のことは「Ce n’est pas grave(大したことではない)」です。
4. フランス人やフランス文化で、「ア!」とおどろいたことは?
「まあいいや」「しょうがない」といった表現の言い回しが多いこと。それを表す顔の表情や、ジェスチャーなどのバリエーションも多いです。ただ、「なんでも適当」というわけではなく、おおらかな一面を持ちつつも繊細であるのがフランス人、フランス文化なのかなあ、と思います。
5. 1ヶ月の家賃はいくらぐらいでしたか?住宅補助を申請された場合は、支給された補助金の金額も教えてください。
パリ市内ですが東の端の方に住んでいました。家賃は、730ユーロから毎年徐々に値上げされ750ユーロほどになりましたが、住宅補助を200ユーロほどいただいていました。
6. 帰国後、自分でこんなところが変わったと思う部分を教えてください!
表情豊かなフランス人とコミュニケーションをとることにより、感情を外に出すことに対して、遠慮がなくなりました。日常生活においては気をつけなくてはいけないこともありますが、舞台では助けになることが多いです。
7. 留学が仕事に活かされていると思いますか?そう思う理由または、具体的なエピソードを教えてください。
4年弱フランスにいましたが、帰国してからは京都市立芸術大学大学院博士後期課程で引き続きフランス歌曲に関する研究をしています。また同時に、フランス語の発音、フランス歌曲を新しく学ぶ方々に伝える立場にあり、留学してよかったと日々感じています。
8. フランス留学を考えている学生へのアドバイスをぜひ!
音楽家を志す方はもちろん、芸術の道を目指す方は是非一度パリで暮らしてみてください。
そこには「歴史」が存在し、今も昔と変わらず、人々の中に「美」に対する意識が生き続けています。