フランスの高等教育はLMDシステムを採用しています。授与される学位の大半が、EU諸国や世界の多くの国々で認証されるECTS(欧州単位互換制度)における単位を取得することができます。
LMDシステムにより調和をもった学位
Licence(学士)・Master(修士)・Doctorat(博士)の3つの課程で構成される高等教育制度は、LMD(エル・エム・デー)システムと呼ばれ、EUのほとんどの国で共通です。このシステムが採用されることで教育課程が一律化し、採用国間での学位の相互認証が可能になりました。このことにより、ヨーロッパ内や世界の他の地域への、学生の流動性が容易になっています。
LMDの学位取得は、高等教育機関で履修したセメスター数に準じています。欧州単位互換制度による単位は、各セメスターで30ECTS蓄積でき、他の国で認証を受けることが可能です。
学士課程では6セメスターの受講、すなわち180ECTSの取得が必要です。修士課程ではさらに4セメスター、120ECTSが、また博士課程ではさらに6セメスターが必要となり、学士課程の1年目から数えて最低8年間で、合計480ECTSが必要となります。
国家によって認証され保証されている学位
国家資格、高等教育省により査証された学位やRNCP(全国職業資格総覧)に登録されている資格といった、フランスの高等教育の学位の価値は、国家によって保証されています。
経営系や工学系のグランゼコールでは、教育や学位の価値が、さらに信頼性やラベルを付与している独立機関によって保証されることがあります。
フランスの学位と外国の学位の同等性
入学の基準は、学生の経歴やプログラム受講に必要とされる既習事項によって、各教育機関が独自に設定しています。志願者の受入れを決定する資格があるのは受入れ側の教育機関ですが、日本とフランスの二国間での調印された協定にもあるように、学位の相互認証の協定のおかげで、学位の同等性の確認が容易になりました。
フランスの高等教育機関では、250万人の学生が学んでいます。そのうち12%が外国人学生です。フランス人であっても外国人であっても、多様な教育の提供を享受し、すべての学問分野におけるすべてのレベルの教育を受けることができます。
フランスには、公立と私立を合わせて3,500以上の高等教育機関があります。その内訳は、72の大学、25の大学・教育・研究機関共同体(COMUE)、271の博士課程、227のエンジニア資格の交付可能な工学系グランゼコール、220のビジネススクール、45の公立高等芸術学校、22の建築大学、3,000の私立の学校および研究所となっています。
3,000あるフランスの高校のうちいくつかの高校には、グランゼコールの準備クラス(CPGE)や、高等技術課程 (STS)、高等技術者免状(BTS)取得準備クラスが併設されています。
英語で履修できるコースは1,700以上あります。カタログPrograms taught in Englishをご覧下さい。フランス語習得クラスと文化プログラムを組み合わせたショートステイのコースについては、programmes courtsのカタログをご覧ください。
FUN(France Université Numérique)は、フランスで初めてのオンライン講座のプラットフォームです。80以上の教育機関から提供される300近いコースを提供しており、登録者は約100万人に上ります。