TCF (test de connaissance du français)は、フランス国民教育省のテストです。France Education International が考案したもので、スコアの有効期限は2年です。
CECRLの基準に基づくレベルで評価されます
欧州共通基準の各レベルに対応した試験を受け、合格するとそのレベルの資格の得られるDELF/DALFとは異なり、TCF (Test de connaissance du français)は、受験時点での受験者の能力が、欧州共通基準の6段階のどの位置にあるかを測るテストです。(DELF/DALFのページの表を参照)
TCFのスコアに基づき、取得日から2年間有効の証明書が発行されます。
試験の方式と結果通知
必須試験
テストは解答選択方式80問で実施され、聴解(30問)、語彙・文法(20問)、読解(30問)の3分野で構成されます。試験時間は全体で1時間30分で、聴解が25分、続いて語彙・文法、読解が計65分(受験者が自由に時間を配分できますが、目安は語彙・文法20分・読解45分)です。
補足試験(口頭表現・文書作成)
語学力証明を補完するために、いくつかの試験センターでは、基本の必須試験に加えて、2つの表現力のオプション試験を受けることもできます。
- 口頭表現試験(オプション): 面接官1名と15分間の面談を行います。面談は録音され、必須試験の答案と共に採点者に送られます。
- 文書作成試験(オプション): 1時間45分の時間内に、6つの課題に答える文章を作成します。課題の難易度は進むにつれて高くなります。
結果通知
TCFの結果はCIEPが発行する証明書によって通知されます。受験者は、個々の試験に関する成績(必須試験は699点満点のスコア、補足の表現力試験はそれぞれ20点満点の評点)と、CECRLの基準による6段階でのレベル分けを知ることができます。必須試験については、3分野全体の総合スコアおよび6段階中の総合レベルが算定されます。
結果は試験終了後約1か月で通知されます。結果通知の手順については、試験センターにお問い合わせください。
TCFのメリット
- TCFには不合格はありません。全ての成績に対して公式証明書が発行され、各分野に関する自分のフランス語の実力を、CECRLに基づく6段階のレベルの中で正確に把握することができます。
- TCFの試験形式は日本人の学習習慣になじみやすいものです。解答選択方式の答案はフランスでスキャナー読み取りによって採点され、シンプルで効率的、かつ客観的なテストとなっています。表現力試験(オプション)はCIEP(国際教育研究センター)の研修を経て資格を取得した採点官チームによって、二重点検方式で採点されます。
- フランス国民教育省の要請を受けて開発されたTCFは、学部を問わずフランスの大学に入学を希望する際の語学力評定に認められた唯一のテストです。
フランスの高等教育機関の1年目に登録するには、文章作成の補足試験付きのTCF TPまたはSOを受験する必要があります。
DAPの手続きを通してフランスの大学の学部1年目に申請する際は、DELF B2以上の資格を取得していない場合には、文章作成の補足試験つきTCF TP またはTCF SOのB2レベルの証明書が必要になります。
DAPの手続きでは、B2以上のスコアを取得していることが高等教育機関から求められています。
TCF TPは、在日フランス文化ネットワークの各校にて、毎年数回実施されます。