諸熊千晴、南仏へ交換留学
西南学院大学卒業生、諸熊千晴さんのAix-Marseille Universitéでの交換留学体験談。
フランス留学生活で一番楽しかったことは ?
友人とグラースを訪れたことです。グラースは世界的に有名な香水の街で、大きな香水工房があります。街にある国際香水博物館で、実際に香水の元となる植物を見たり、歴史を学んだりしました。また工房では、自分で好きな香りを選び調合してオリジナルの香水を作るアトリエがありました。難しいフランス語が分からないなか、調香師さんの説明を何回も聞いたことを覚えています。完成した香水は、人によって全然違う香りになっていて、香水の世界の奥深さを感じました。この旅行はフランスに留学して初めての遠出だったので、生きたフランス語を見聞きし、使うことができ、良い経験になりました。
留学中の失敗談を教えてください!
フランスに来て間もない頃、まだネイティブのフランス語を理解するのが難しい状態でした。週2回マルシェに野菜を買いに行っていたのですが、ある日、お会計時になにか質問をされました。今までは、挨拶をして野菜を選んでお金を払うという流れで、使うフランス語も簡単なものでしたが、急に質問をされて私は理解していないのに、笑顔で「OUI」と答えてしまいました。すると店主は、笑顔で大量なニンジンの葉っぱを渡してきました。しまったと思いながらも笑顔で受けとり、その後ひとりでおいしくいただきました。この一件で、分からないことはちゃんと分からないと言わなければならないことを学びました。
フランス人やフランス文化で、「ア!」とおどろいたことは?
どこかに出かけたり、食事をしたりしようと誘われたとき、これはフランス人に限ったことではないと思うのですが、そのお誘いはとても好意的なものだということです。特に、顔見知り程度の関係では、日本であれば社交辞令といった場合も無きにしも非ずですが、フランス人からのお誘いは、来てほしいから誘ったというようにとてもフランクで話したことが無いような人でも歓迎してくれました。また逆に日本人から「また会おう」と言われたのに、その「また」が来なくて悲しかったというような話も聞きました。日本では、優しさともとれる曖昧な行為が、他の文化圏の方には日本人と同じように受け取られないと知りました。
帰国後、自分でこんなところが変わったと思う部分を教えてください!
わからないことは、なんでも聞くという意識ができました。フランスでは、日本では馴染みがない野菜や、取り扱いの無い化粧品があります。Google先生に尋ねるのも手ですが、フランス語を話す機会を作るためにも近くにいるマダムやムッシュに聞くようにしていました。そのおかげで、自分ひとりではできなかったことが、周りの人の協力のおかげでできるということに気づきました。また、自分自身も周りの人の手助けができればと思い、帰国後、日本語がわからなくて街で困っている外国人や、留学生に声をかけ、お手伝いをするように心がけるようになりました。
後輩へのアドバイスをぜひ!
留学では、楽しいことがたくさん待っています。素敵な出会いもたくさんあります。そのチャンスを生かすも殺すも自分次第です。何をしていいのか、何をした方が良いのか迷うこともあると思います。そのときは、フランスでしかできないことをしましょう。教室で授業を受け、寮に帰ってたくさん勉強することも大事ですが、外に出てそこで生活している人と出会うこともフランス語上達の上で大事なことだと思います。フランス語が間違っててもばかにする人はいないので、自信をもっていろんな人と交流を持つことをおすすめします。慣れない国で言葉が通じず、さみしい思いをする日もありましたが、留学から帰ってきたら失敗談はすべて笑い話に変わります。安心してフランスでの留学生活を思う存分楽しんできてください。