フランスでは大都市で学生向きの住居をみつけるのは容易ではありません。しかし方法はいくつもあるので、とにかく早く探し始めることが大切です。

さまざまな住居のタイプ

1. CROUSの学生寮

Cité Uとも呼ばれる学生寮は、公的機関CROUS(地方学生・生徒生活センター)が運営しており、学生向けの最も経済的な住居です。留学先の高等教育機関の国際部へCROUSの利用が可能かを問い合わせてみましょう。

並行して、CROUSの住居に関するサイトから« logement » または « international » をクリックし、大学寮の入居条件を調べましょう。入居するためには、 « logement international »という申請フォームを作成し、期限までに提出をしなければなりません。

2. パリの国際大学都市 (CIUP)

パリ14区にある国際大学都市(CIUP)には、広大な敷地に学生寮群が立ち並びます。世界各国から6,000人近くの有能な留学生、研究者、芸術家、スポーツマンらが入居しています。設備、入居者の年齢、滞在期間などにより寮費はさまざまです。

CIUP

 

3. 各高等教育機関の管理する大学寮

高等教育機関によっては、特にグランゼコールなどは、専用の学生寮を持っていることがあります。留学先の高等教育機関の担当部署へ入居条件などを問い合わせてみてください。

4. 学生会館の寮

学生会館や青年会館のような施設に属する学生寮もあります。寮費は、Cité-Uの学生寮と、民間の学生寮との中間くらいです。

5. 民間の学生寮

外国人学生が利用できる民間の学生寮は多数あります。部屋やアパートの入居費には、ランドリールームやインターネット、ジムなどの利用費が含まれるため、CROUSの寮費よりも高いのが通常です。

6. 個人の貸主から住居を賃貸

個人の大家さんや不動産業者を通じて部屋やアパートを探すことも可能です。

費用を抑えるためには、コロカシオン(ルームシェア)という方法もあります。他の入居者と部屋をシェアすることで家賃負担を等分することができるので、経済的かつ楽しい案と言えるでしょう

CROUSが運営するLokavizのサイトでも、民間の住居を検索することができます。信頼性が高く、高等教育機関から比較的近く、家賃が低めの、学生向きの物件が紹介されています。

Lokaviz

7. 下宿やホームステイ

フランス人家庭に滞在することは、フランス語を鍛錬するうえで理想的でもあり、生活も便利で経済的です。多くの場合、個人の一軒家やアパルトマンの一室を借りることになります。

家事の手伝いなどをする代わりに家賃を安くしたり、無料にしたりするホストファミリーもあります。家庭内のいくつかの仕事(家事や子供の世話など)を引き受けることで家賃の一部とされます。

 

学生用住居をうまくみつけるためのヒント

  • 渡仏前から探し始めましょう。CROUSの寮の場合でも、また学生会館や民間の寮の場合でも、申請はフランスに発つ前に行ないましょう。
  • 住居を紹介してくれる機関に対しては、信頼性を用心深く見極めましょう。入居契約書に署名する前や、紹介機関と直接やり取りをする前に決してお金を振りこんではいけません。
  • フランスに到着後しばらくは、ます短期間での住居を予約しておくという方法もあります。新しい生活環境に慣れながら、現地で直に物件を見て住居を探すことができます。
  • 特にパリでは、住居探しが困難なことが多いので、できるだけ早くみつけられるよう、複数箇所に並行して入居希望を出しましょう。
  • 家具付き住居を優先的に検討しましょう。費用の節約にもなりますし、引越しも楽です。特にフランス滞在期間が短い方は家具付きが便利です。
  • 安すぎる賃料には気をつけましょう。パリでは、学生寮で400ユーロ、民間の住居で800ユーロが目安です。その他の都市では、平均してその半分を目安にしてください。
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保証人の見つけ方

保証サービス VISALE

保証人は、あなたが家賃を払うことができなくなったときに、代わりに支払うことを約束してくれる人です。フランスでは、住居を借りる側が、フランス人であっても外国人であっても、ほぼ必ず保証人が必要となります。

保証人はフランス人でなければなりません。もしアパルトマンや大学寮の部屋などを借りる際に保証人になってくれるフランス人がいなくても、VISALEという無料の保証サービスを利用することができます。

VISALEとは ?

1. VISALE は、外国人学生も利用できます 

18歳から30歳までの学生で、長期学生ビザ(VLS-TS)またはパスポート・タランビザを取得していれば利用可能です。

 2. VISALE は民間の住居にも学生寮にも適用されます

住宅の賃貸借保証サービスであるVISALEは、住宅を借りたい学生のための解決策です。家具つきでも家具なしでも、家主からでも貸主からでも、公営の住居でも民営の住居でも利用可能です。ただし、賃貸料および管理費の支払保証としてVISALEを利用する借主を受け入れるかどうかは貸主の自由です

 知っておくと便利!CROUSVISALEは協定を結んでいるので、CROUSの学生寮の部屋を借りたい外国人学生に対しては、VISALEの保証は必ず受け入れられます。

 3. VISALEの申込み時にフランスでの住所は必要ありません

VISALEの手続きは渡仏前から行なうことができます。賃貸借契約書にサインする前に、「visa」と呼ばれるVISALEの資格証明を取得しておく必要があるため、早めに行なっておくことが重要です。

フランス大使館で長期ビザ(VLS-TS)が発給され次第、VISALEの手続きを開始することをお勧めします。

 4. VISALEで取得する「visa」は、フランス大使館で交付されるビザとは全く別のものです

VISALEで入手する「visa」は、学生が住宅賃貸借の際に保証サービスの恩恵を受けられる証明書のことです。これによりフランスへの入国や滞在が可能になるものではありません。

5. VISALEの申請はオンラインで可能 

VISALEを利用するための手順は簡単です。 

 

  1. VISALEのサイトvisale.frにアクセスし、アカウントを作成します。
  2. 質問事項に答え、証明書類をアップロードし、申請を行います。
  3. "visa"と呼ばれるVISALEの証明書が2日から15日後に届きます。
  4. 証明書の有効期間と保証金の金額を確認します。
  5. 証明書を印刷し、賃貸契約を結ぶ前に家主または貸主に渡します。
  6. 家主または貸主がVISALEのサイトにアクセスし、保証金の証明書を入手します。
  7. 以上で、賃貸契約を結ぶ準備が完了です!